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Eラン学生がAラン企業から内定を頂く方法のまとめ

Eラン大学のダメ院生(情報系)である僕は就職活動を通してAラン,Bラン企業などから内々定を頂いた.実際にエントリーした企業は11社で,そのうち内々定は4社.

このエントリーでは,僕の実体験を元にEラン大学の学生が大手企業から内定を取る方法を簡単にまとめてみたいと思う.ちなみに僕はSI業界を志望しているので他業界の選考を知らないが,基本的にはどんな業界でも通用する話だと思っている.

ちなみに,このエントリーで指すEランク大学は【大学ランキング】を参照し,企業のランキングは2chの「2009年度SI業界ランキング Ver.080331」を参照している.今回これらのランキングの確からしさに関して議論するつもりはなく,あくまで参考として引用しているだけである.

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1. 自己PRの部

1-1. 強い根拠を持て

僕は就活で1番大切なのは「強い自己PRを書けること」だと思っている.
自己PRというのは,その名の通り,自分はこんな人間でこんな凄いことをやってきたんだ!っていうのをアピールする絶好のチャンスで,エントリーシートを書くにしても重要な要素だし,面接にしても自己PRの質で雰囲気が大きく変わってくる.

そして,この自己PRを書くにあたって特に意識しなければならないのは「根拠」だと思っている.この根拠と言うのは,自分はこんな人間でこんな強みを持っている!ということを証明するエピソードと言い換えることも出来る.簡単に例を出してみることにする.

私の強みは___<1>___です.
私はこの強みを___<2>___の経験から養いました.
私の強みは,貴社の___<3>___な場面で存分に活かすことができると考えています.

自己PRと言うと,概ねこのような感じのテンプレートに乗っかるのが通例だと思う.
自分の独自性を出すために,そして自分の強みを強調するために,<1><2><3>の空欄を埋めるわけだが,この3つの空欄でどこが一番重要だと感じるだろうか?

僕の答えは<2>である.なぜなら,<2>が自己PR全体を良くも悪くもする最も大切な部分であり,言わば<2>が「根拠」そのものであるからである.

僕の経験上,多くの学生は<1>を意識しすぎるあまり,小難しい言葉を探したり,インパクトのあるユニークな記述を目指そうとし,余計な時間を費やしてしまうことがある.別に<1>に時間を費やすのは結構なのだが,結局は<2>があってこそ<1>に信憑性が出るわけなので,大したエピソードもないのに,<1>が無駄に目立っていたらバランスが悪く,上辺だけ感がプンプンしてしまうだろう.

以下に,極端な例を出してみる.

私の強みは「誰にも負けないコミュニケーション能力」です.
私はこの強みを「居酒屋店員のアルバイト」の経験から養いました.

私の強みは「誰にも負けないコミュニケーション能力」です.
私はこの強みを「単身で挑戦したイギリスでの2年間の留学」の経験から養いました.

言うまでもなく,<1>の信憑性の差が圧倒的に違うことが感じてもらえると思う.このように,自己PRで最も大切な部分は,自分の強みを証明する根拠(エピソード)と言える.

1-2. 弱い根拠の例

ここでは,弱い根拠(<2>)の例を僕の主観で2つ挙げてみたいと思う.

/* 弱い根拠の例_1 */
私の強みは「高いコミュニケーション能力」です.
私はこの強みを「4年間続けた居酒屋でのアルバイト経験」から養いました.

よく見かけるアルバイトネタです.
こんな自己PRを書くと,「こーいうの聞き飽きたよ?」「Eラン学生でアルバイトに注力してるってことは,よーするに勉強が嫌いなんでしょ?」と切り返されて終了である.エリート大学の学生が書くと「両立が出来ていて素晴らしい!」なんて言われるんでしょう(推測).悲しきEラン.

/* 弱い根拠の例_2 */
私の強みは「誰にも負けない忍耐力」です.
私はこの強みを「hogehogeサークルで3年間練習に励んだ経験」から養いました.

これもよくあるスポーツネタです.
アルバイトネタと同じく,こんな自己PRを書くと,「お疲れ様でした!」「スポーツはどーでも良いんだけど,それより勉強はしてないの?」と切り返されて終了である.エリート大学の学生が書くと「文武両道で素晴らしい!」なんて言われるんでしょう(推測).悲しきEラン.

誤解のないように言っておくと,別にアルバイトネタとスポーツネタを真っ向から否定しているわけではなく,そのネタで絶大な証明となるような強いエピソードがあるのであれば,そのネタを上手く書いて伝えれば良い.ただEランの場合は,リアルに特別な経験をしていなく,話せるエピソードが皆無だから,苦し紛れにアルバイトなどの話をするっていう学生が少なくないので,そんな学生に向けた忠告と捉えて欲しい.

1-3. 強い根拠を短期間で得る方法

僕はどんな学生でも「勉学ネタ」をメインに攻めていかないことには,勝ちは見込めないと思っている.
やはり社会の一員になるということは,一生勉強し続けることを意味していて,社会や企業は当然やる気や向学心に満ちている人材を獲得したいと思っているはず.

そこで,特に根拠になるネタもなく,アルバイトなどの話をメインにしようと考えている学生が,短期間で強い根拠を得る方法を考えてみた.

1-3-1. 資格取得

短期間で根拠となり得る取り組みの1つに,資格取得が挙げられる.

僕はEラン学生でエントリーシートや履歴書の資格欄が「空欄」or「運転免許」しか書けないなんて,まさにEラン学生という感じで,自分の無能さをアピールをしているようなものだと考えている.だからこそ,少なくとも1つは資格を取得して欲しいと思う.
どんな資格があるんだろう?という人はコチラ(IT業界を目指す人が取るべき資格の個人的まとめ - kakku blog).

なぜ資格取得が根拠になり得るのかと言うと,アルバイトなどの非勉学ネタと比較して,より向学心や技能・知識をアピールできるからである.また資格によっては,自分の好きな日時で受験できるものがあるので,短期間で取得することも可能である.

例えば,まず「IT業界とのマッチング」が挙げられるだろう.もしIT関連の資格を取得しているのであれば,「私はIT業界を志望するにあたって,仕事への認識をより具体化するために取得しました.」などと自由に展開できる.僕の場合,基本情報技術者試験Javaプログラミング能力認定試験などを取得していたため,「IT関連の資格をたくさんお持ちですね.なぜこの資格を取ろうと思い立ったのですか?どんなことに苦労されましたか?」や「次のステップとして他の資格に挑戦しようとは考えていますか?」といった類の展開に発展することが多く,自分の向学心の高さを思う存分アピールすることができた.

そして「抑えられない向上心」をアピールすることもできるだろう.僕の場合は「大学の講義に満足することなく,より自分を成長させるため,時間を有効的に活用するため,資格取得に注力しました.」と何度も伝えた.

さらに「達成力・忍耐力」のアピールにもなる.例えば「大学の講義や研究活動がどんなに忙しくとも,資格取得という目標を掲げたからには,諦めることなく努力を尽くしました.」なんて言えると高い向学心が際立つと思う.

最後に「日々の両立」が挙げられる.例えば「資格を始めとした勉学に専念し過ぎるのではなく,社会との関わりや気持ちのリフレッシュのために,アルバイトやスポーツにも積極的に取り組んでいます.」と伝えれば,勉学にスポーツにと生活に両立が取れていることがアピールでき,非常に好感触である.先程はアルバイトやスポーツのネタを弱い根拠の例として否定したが,このように勉学ネタの引き立て役として活用することで大きな力を発揮することを覚えておいて欲しい.


最後に,もし資格なしで就活に臨むことになってしまった場合でも,履歴書の資格欄は空欄にはするべきではないと思う.そこで,入社までには絶対にこの資格を取得するという目標を掲げて,

hogehoge資格(取得予定)

という罠を仕掛けておくことをお薦めする.もし「取得予定」に関して質問を受けたら,今この資格の取得に向かって注力していることを前向きに伝え,向学心があることを猛烈にアピールするチャンスである.

1-3-2. 研究活動

強い根拠となる定番の勉学ネタと言えば,研究活動だと思う.
大学によっては,学部3年だと研究活動(ゼミナール所属)が始まらないということもあるかもしれないが,そんなことは人事担当の方も承知しているので心配は無用である.

そうではなく,研究活動がまだ始まっていないからと言ってただボーッと待ってるのではなく,新学期から始まる研究活動や自分が希望している研究分野に向けて,既に高いモチベーションを持って動き始めていることをアピールすることが重要で,集中すれば,短期間である程度の調査が出来るであろう.

研究活動ネタも,資格取得ネタと同じく「抑えられない向上心」をアピールできる.例えば「私は大学の講義だけでは満足できず,またhogehoge分野の研究に興味があるため,1年前の現在から基礎知識の獲得に取り組んでいます.具体的には・・・」と展開すれば,立派な根拠となるであろう.

そして企業の事業内容と研究テーマにもよるが,研究テーマに関連したソリューションを企業が行っている場合,「企業とのマッチング」を得られることがあり,自分が貢献できることを多いにアピールできるチャンスだと思う.

最後に,これも資格取得ネタと同じ「日々の両立」である.例えば「私は研究に専念し過ぎるのではなく,社会との関わりや気持ちのリフレッシュのために,アルバイトやスポーツにも積極的に取り組んでいます.」と伝えれば好感触であろう.

1-3-3. インターンシップ

インターンシップに参加することは,自分を伸ばす素晴らしい機会であり,その企業を知る大きなきっかけにもある.また自己PRの根拠にもなるので,時間を作って是非参加することをお薦めする.1週間以内のインターンシップであれば,短期間で大きな経験を得ることが出来る.

インターンシップには1日,3日,1週間,2週間,1ヶ月などなど,様々な期間のものがあり,位置付けに関しても,内々定に直結するもの,好きな時に入社できる切符を交付されるもの,選考のステップが1つ減る待遇を受けられるもの,選考には全く関係のないものなどがある.また時期に関しては,夏休みや冬休みが中心になる.

僕が特にお薦めするのは,夏休みのインターンシップである.
なぜ夏休みのインターンシップを薦めるかというと,まず「比較的長い期間の体験ができる」ことが挙げられる.夏休みだと1週間〜1ヶ月の比較的長期のインターンシップが開催されているし,参加する学生としても,時間をまとめて作れる時期だと思う.
やっぱりワンデーなどの短期よりも,長期のインターンシップに参加した方が得るものも多いし,その会社がよく見えるようになってくる.

また「志望者が多くない」こともお薦めの理由である.この時期にインターンをする学生というのは,高い意識を持った学生に限られているので,「とりあえず応募してみるか」的な学生は少ない.そのため,単純に志望者の人数から考えるとEラン学生には嬉しい倍率と言える.

そして「時間に余裕がある」ことも重要な要素である.冬休みになると就活が始まっていてインターンに専念する時間が捻出しにくくなってしまう.ましては院生となると研究にも集中しなくてはならず,不可能に近いのが現状である.「せっかくの夏休みなんだから海に行きたいぜ!」なんて遊びまくるEラン学生は死亡フラグ立ちまくりだよ?

最後に「エントリーシートと面接をいち早く体験できる」ことが挙げられる.インターンシップを希望する場合,エントリーシートをバッチリ書く必要がある.企業によっては面接をする場合もある.たとえ参加できなかったとしても,エントリーシートや面接の経験がこの時期にできるのは価値がある.多くの学生は年が明けてからエントリーシートというものと初対面し大きく行き詰るのだから.

ちなみに僕は,夏休みに某大手印刷会社で2週間のインターンシップに参加した.選考には無関係のインターンシップではあったが,2週間の体験から「その会社で働く自分」を具体的にイメージすることができ,かなり自分を成長させることができたと思う.またインターンシップでの経験談を中心に熱意を伝えたことが評価され(たのか),この企業から内々定を頂くことができた.

1-4. 自己PRはありのままの自分を表現するもの

自己PRはありのままの自分を表現するものなので,周りの情報に流されず,自分の強みを前面に押し出すことが重要.

例を挙げると,就職本やウェブニュース,企業の採用ページなど,至る所で「コミュニケーション能力を第一に求めるます」的なことが書かれているが,僕はこの手の情報を見る度に「ふーん(猛苦笑)」と思う.僕は「コミュニケーション能力は必ずしも必要ではない」と思っている.

と言うのも,そもそも僕自身,自分がコミュニケーション能力や協調性が難があることを自覚している.極端かもしれないが,そんな僕が企業から選ばれているのは,他でもない「コミュニケーション能力は必ずしも必要ではない」ということではないだろうか.

ようするに,企業は「色んなタイプの人材」を求めていると言える.例えば「技術力に長ける学生」や「既にシステム運用の実務経験がある学生」,また「ITの知識は全くないけど,英語と中国語をマスターしている学生」など,ある部分に特化した強みを持っている学生っていうのも,非常に求められていると思う.当然,その中に「コミュニケーション能力に長ける学生」も含まれている.

ここで伝えたいのは,例え志望している企業が「コミュニケーション能力」を第一の要素に挙げているからといって,無理にその能力のアピールをする必要はないということ.そうではなく,常に自分の強みを前面に押し出すことが重要.

2-1. 面接の部

面接で聞かれる質問は大きく3種類
面接で聞かれる質問には「基礎質問」と「応用質問」と「奇抜質問」の3種に大別できると考えている.
・基礎質問・・・どの企業でも高確率で聞かれる質問.
  ex.「自己PRをお願いします」「弊社の志望動機は?」「学生時代頑張ったことはありますか?」
・応用質問・・・基礎質問の回答から枝分かれして投げられれる質問.
  ex.社会に貢献したいという志望動機に対して「あなたの考える社会貢献とはどんなことですか?」
  ex.学生時代は研究に打ち込みましたという回答に対して「どんな研究内容ですか?」「研究活動で苦労したことはなんですか?」
・奇抜質問・・・とりあえず困る質問.
  ex.「あなたは動物に例えると何でしょう?」「極論ですが勉強と遊びどっちが好きですか?(実際に聞かれた)」

奇抜質問は答えがない場合が多いので,臨機応変に答えるとして,重要なのはいかに基本質問と応用質問に的確に答えられるかです.

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3-1. その他の部

3-1-1. フェルミ推定で論理力を鍛える

SPI2などの適性検査の対策は,もう出来て当たり前なので,特に言及する気はない.
そんな上辺の上積みよりも,フェルミ推定に習慣的に取り組んで地頭力を底上げした方が圧倒的に効果がある.

フェルミ推定って言うのは,別にそういう適性検査があるわけではなく,簡単に言えば,いかに論理的で妥当性のある推理を展開できるかを追及するもので,GoogleやMicrosoftの面接で問われるというのは有名な話である.

なぜフェルミ推定を薦めるかと言うと,例えば,面接で想定外の質問を受けた場合や,グループワーク(グループディスカッション)で難問に取り掛かるときに,最終的には地頭力が物を言うからである.

面接が得意な人と苦手な人の差の一つに,想定外の質問を受けた場合の耐性がある.
想定していた質問に対する回答は誰でも言えるのだが,ちょっと違う視点の質問が来ると,無言になっちゃったり,ズレた回答をしちゃったりと,面接官に駄目な印象を与えてしまう.そんなときでも論理立てて回答をするためには,結局は地頭力が必要で,よーするに,そのためにフェルミ推定をやるべきだと思っている.

またグループワークの場合,難問が出されることも多く,それが解けるか解けないかは合否には関係しないとしても,その過程の論理展開を見られているので,そこでもこのフェルミ推定で培った地頭力は大いに力を発揮する.

また大手企業のグループワークに参加すると,大抵エリート集団とEラン1,2人みたいなグループになる.
基本的にEラン学生は戦力外に思われてるので,あまりでしゃばらず,冷静に全体を見通すような役割をやると良いと思うのだが,それはエリート集団がやはりエリートだった場合である.

まれにだが,仕切りたがりで,威勢が良くて,積極性には満ちてるんだが,まったく論理的思考が出来ずただ場を荒らすだけのエリート学生と同じグループになることがある.この局面で,選考に合格するには,その学生をいかに論理的に食い止め,正しい道に呼び戻すかが大きな課題になる.そんなときの地頭力でもある.

最近はフェルミ推定が非常に流行って(?)いて,ウェブでも書籍でも取り組むことができるので,参考までに数点紹介しておく.

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

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ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?

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かなり中途半端だけど,書く気力がなくなったので終了にします.

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