社内勉強会で「カンバン」の話をしたので,資料を公開する.
凄く興味深く聞いてもらえたし,少しでも学びがあったと言ってもらえると嬉しいなと思っている.
最近思うこと
本当にチームマネジメントって難しいなーと最近改めて感じていて,特に「価値観の多様性」をどう集約していくのかというプロセスにおいて,個人的な結論としては「常に変化を受け入れて改善できる組織」であることが最も重要だと思う.
「価値観の多様性」というのは凄く抽象的な表現だと思うので,少し具体化してみると「ウォーターフォールとアジャイル」や「大きな組織と小さな組織」などが挙げられるし,「営業主導とエンジニア主導」や「枯れた開発プロセスとモダンな開発プロセス」もそう.さらに過去の成功体験に固執してしまったり,モダンな事例にインスパイアされ過ぎてしまったりしている組織もあるだろう.
そして「進捗ダメです」というフレーズに表現される通り,管理社会は自由度と創造性を排除してしまう.よってエンジニア主導に価値を置くならば「受託感」が垣間見える意思決定は極力避ける必要がある.
カンバン
最近チーム内でタスク管理を見直す動きが出ていて,まさに「価値観の多様性」が入り混じっている状態に見えたので,自分の知識を少しでも共有できればと思ってカンバンの勉強会を開催することにした.ちなみに最近スクラムのエッセンスをチームに少しずつ取り入れる活動もしていて,スクラムやリーンに興味を持ち始めているメンバーもいるので,タイミングとしては良かったと思う.ちなみに一応 CSM は持ってる.
注意点
発表で補足しながら説明した部分が多く発表資料としてはシンプルな形に落ち着いてしまっている.あと自分の解釈も多く入っているし,不足している説明も多いと思うので,もっと深く知るなら別の参考になる資料を読んでもらいたいなと.
キーワード
- カンバン
- スクラム
- トヨタ生産方式 (TPS)
- 制約条件の理論 (TOC)
発表資料
暗黙知の話
発表資料には載ってないけど,アドリブで暗黙知に関する話もしたので,思い出しながら書いておく.
暗黙知って言うと非常にネガティブなイメージが強くて,組織をスケールさせるなら形式知じゃないと!っていう風潮があるけど,あくまでそれは属人性のある暗黙知の場合であって,一緒に開発をするメンバー間やチーム間で暗黙知が共有されていたり,日々のコミュニケーションで理解度が高まっていくような場合,それは暗黙知ではなく経験値と表現することができて,むしろリードタイムを減らすことに貢献する素晴らしいことなんだっていう話をした.
スクラムでもカンバンでもチームが成長することでベロシティが向上したり,リードタイムが減少することを前提としているため,暗黙知を活用するというスタンスと考えて良いと思う.また「アジャイルソフトウェア開発宣言」の紹介もして,対話の大切さやプロトタイプとして動くことの重要性なども話した.よくある誤解がおきないように「左側が不要なのではなく,右側により価値を置くんだよ」という点も話した.
さらに勉強会当日に TL を見ていたら「トランザクティブ・メモリー」の話が盛り上がっていたので,暗黙知と同じ文脈で軽く紹介した.「知っている人を知る」という人にフォーカスした組織体系は特にスタートアップに適しているなーなんていう声も出ていた.
参考資料
Special Thanks
勉強会準備の中で先輩スクラムマスターの @ykmc09_dev に多くのアドバイスをもらって理解が深まった.
本当にありがとうございました!