「現場のプロがわかりやすく教える位置情報エンジニア養成講座」を読んだ📕
今まで GIS: Geographic Information System など位置情報を取り扱うための技術的な知識や経験がなく,地図アプリケーションを使うと「便利だな〜w」という感想しか出てこないようなレベルだった💨
本書を読んで,そして本書の後半では実際にアプリケーションを写経しながら実装したことによって,位置情報を取り扱うための最低限の知識と開発の流れを把握できるようになった❗️本書の冒頭には「これから位置情報を扱うエンジニア」が読者層だと書いてあったけど,まさにその通りだと思った.位置情報や地図を仕事で使う前のキャッチアップに最適な一冊だった🗾
さらに OpenStreetMap / 国土数値情報 / 地理院タイルなど,地図関連の公開データ(ライセンスには注意)が多くあることも今までは全然知らなかった.
目次
どの章も良かったけど,特に「第2章」で位置情報の知識を整理できたことと「第5章」でアプリケーションを一歩一歩動かしながら実装できたところが良かった👌
- 第1章: 位置情報の世界
- 1-1 位置情報とは
- 1-2 位置情報アプリケーション
- 1-3 位置情報アプリケーションの特徴
- 1-4 自由に使える位置情報データ
- 第2章: 位置情報の基本
- 2-1 位置を表す方法:経緯度
- 2-2 丸い地球をどう地図にするか:地図投影法
- 2-3 位置情報のデータ形式
- 2-4 位置情報のファイル形式
- 2-5 位置情報の配信方法
- 2-6 サーバーレスの潮流:Cloud Optimized
- 第3章: 位置情報データの取得・加工
- 3-1 QGISとは
- 3-2 QGISのダウンロードとインストール
- 3-3 位置情報データの取得
- 3-4 位置情報データの表示
- 3-5 位置情報データの加工:ベクトルデータ編
- 3-6 位置情報データの加工:ラスターデータ編
- 第4章: 位置情報アプリケーション開発:入門編
- 4-1 位置情報ライブラリの紹介
- 4-2 テーマ別ハンズオン
- 4-3 その他の位置情報技術
- 第5章: 位置情報アプリケーション開発:実践編
- 5-1 入門編との違い
- 5-2 実践編Part1:「防災マップ」を作成する
- 5-3 実践編Part2:スマートフォンで利用できるようにする
目次の詳細は出版社サイトを見てもらえればと!
実装したアプリケーション
「第4章」では Leaflet を使って,多くの地図表現を実装しながら学ぶ.そして「第5章」では MapLibre GL JS を使って,地図アプリケーション(防災マップ)を実装する.以下のような特徴がある👏
- 背景の地図は OpenStreetMap のデータを使う
- ハザードマップ(洪水浸水想定区域・津波浸水想定区域など)は「ハザードマップポータルサイト」のデータを使う
- 指定緊急避難場所は「国土地理院」のデータを使う
- etc
今回はできる限り写経しながら進めつつ,コピペで十分なところは本書のコードが公開されている GitHub リポジトリを参考にした.
そして実際にデプロイしたアプリケーション(一部)のキャプチャを紹介する❗️
本書のデモサイトも GitHub Pages にデプロイされていて実際に試せる👌ちなみに僕は GitHub Pages ではなく Vercel にデプロイして動作確認をしていた.
ちなみにキャプチャを載せたアプリケーションは完成後に復習も兼ねて Mapbox Controls の inspect と zoom を追加で導入してるので,右下のボタンは少しカスタマイズしてある💡
その他メモ
- 経緯度(十進法表記・度分秒表記)
- 地図投影法(ウェブメルカトル・平面直角座標系)
- ベクトルデータ(GeoJSON・ESRI Shapefile など)
- ラスターデータ(GeoTIFF など)
- 配信方法(バウンディングボックス・地図タイル)
- COG: Cloud Optimized GeoTIFF
- QGIS
- GitHub - mapbox/tippecanoe: Build vector tilesets from large collections of GeoJSON features.
- Plugins - MapLibre GL JS
誤植
読みながら気付いたところをメモしておく📕
- P.195:
開発実践編朱>
→開発実践編
- P.233:
5-2-6
が2個ある
まとめ
「現場のプロがわかりやすく教える位置情報エンジニア養成講座」を読んだ📕
GIS: Geographic Information System や位置情報に関する知識がなかった僕にとってはとてもおもしろく勉強になる一冊だった.ユーザーとしては日々地図アプリケーションを使う機会があるため,今後は「どういう技術を使っているのかな〜」という目線で考えながら使ってみたいと思う.本当に読んで写経して良かった❗️
ちなみに本書には出てこなかったけど,AWS 関連で調べていたら Registry of Open Data on AWS に地理空間データが公開されていたり,事例もあったりして,今後はこのあたりの領域もウォッチしよう〜 \( 'ω')/