タイトルに釣られて読んでみた.テクノロジーを中心とした今後のビジネストレンドを俯瞰できる1冊になっていて,特に国内外のスタートアップの事例が多く紹介されている点が良かった.
- 作者: 長沼博之
- 出版社/メーカー: ソシム
- 発売日: 2015/09/28
- メディア: 単行本
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取引コスト
「取引コストゼロの社会」が到来するとライフスタイルが全然違ってくるなと感じる.そうやって考えてみると,今は当たり前のように様々な取引をしながら生きているんだなと改めて気付かされてどんどん効率化したくなってくる.
所有の薄まり
本書に「所有という概念が薄まっていく」という表現があってハッと気付かされた.Airbnb や Lyft などの事例を見て「シェア」するビジネスは今後伸びるなというのは感じていたものの,その本質が「所有の薄まり」だという点は意識できていなかった.まさに発送の逆転だ.言われてみればその通りだけど,個人的に大きな学びになった.シェアビジネスのプラットフォーマーは今後さらに増えて,頭打ちになったタイミングで買収や淘汰による生き残り戦が起きそうな気がする.
クラウドファンディング
「在庫ゼロ」の文脈でクラウドファンディングの重要性も書かれていた.Kickstarter と Ingiegogo と並んで Makuake も紹介されていた.クラウドファンディングは単なる資金調達の場ではなく,マーケティングとしての側面もあるため,今後のビジネスモデルにも密接に関わってくると断言できる.特に Chapter.2 に載っていた Gustin の事例は興味深かった.Kickstarter でクラウドファンディングを成功させた後,自社でクラウドファンディングを導入して生産をしているとのこと.自社 EC じゃないんだってところに新しさがある.
他にも
クラウドシッピングを展開する Shipbird も驚きだった.毎日の勤務を活用して配送を請け負うっていう考え方が斬新すぎた.他にもクラウドソーシングやボットソーシングの事例も多く知れて良かった.