チーミング本とタイトルが似てるけど,以下の本を読んだ.
実は今週から社内異動で別のプロダクトを担当しているんだけど,前のプロダクトで最も信頼していたメンバーから卒業祝でもらった1冊だった.ストーリーとして単純に面白いし,耳が痛くなるところもあったけど,恐らくメンバーの心理として「この本から僕に伝えたい事があるんだろう」と勝手に深読みして,一歩踏み込んだ視点で読んでみた.本当にありがとう!
- 作者: パトリック・レンシオーニ,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2003/06/18
- メディア: 単行本
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The Five Dysfunctions of a Team: A Leadership Fable (J-B Lencioni Series)
- 作者: Patrick M. Lencioni
- 出版社/メーカー: Jossey-Bass
- 発売日: 2002/03/19
- メディア: ハードカバー
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全体感として
本書の大部分はストーリー仕立てで書かれていて,キャスリン新 CEO 率いる DecisionTech 社の経営陣が段々とチームとして機能していく過程が描かれている.なお,理論立った解説は最後に簡単にまとまっている.
ポイントは The Five Dysfunctions
として以下が挙げられている(実際にはピラミッド状の図で表されている).
- 信頼の欠如(完全無欠)
- 衝突への恐怖(表面的な調和)
- 責任感の不足(あいまいな態度)
- 説明責任の回避(基準の低さ)
- 結果への無関心(地位と自尊心)
ストーリーを読み進めていくと,段々と「自分は誰と誰に似てる」や「同僚は誰に似てる」っていう感じでイメージが湧いてくるので,自己投影して読むのが面白いんじゃないかと思う.
良くも悪くも自分はマイキーとマーティンの側面を持ってるなーと感じていたので,マイキーにショッキングなことが起きると(ネタバレになるので伏せておく),読んでる自分もちょっと ( ゚д゚)ウッ! となって気分が落ちたりした.
自分の経験と重ね合わせて感じたこと3点
1. 有意義な衝突を起こす
本書の中で「衝突に参加する」という表現があって,良いなと思った.僕は比較的物事をハッキリと言う方で,会議でも自分の意見を言うようにしてるし,メンバーの意見に対しても積極的にツッコミをするので「衝突に参加している」と思う.ただし,同じことを伝えるにしても言い回しが極端になったり,無駄に皮肉を込めてしまう短所があって,その結果,メンバーが萎縮してしまったり,起こるべき衝突が起きずに流れてしまうことを何度も経験した.言ってることは的を射ているのに言い方が悪いから伝わらないんだよっていう指摘をされたこともあるし,この点は継続的に改善していきたいと思っている.またこうやって短所をしっかり言ってくれるメンバーがいると信頼し合えてるなと思える.
2. 否定は強く聞こえる
キャスリンが批判を受けて「確かに…」と肯定する場面があるんだけど,その直後に「ただ…」と言おうとして思い留まった場面があった.なるほどなと思った.同じことを言う場合でも,冒頭に「ただ…」と付けてしまうと強めの否定に聞こえてしまうし,さらにそれをリーダーが言ってしまうと,より強いバイアスが掛かってしまうなと感じた.僕も口癖のように「ただ…」「でも…」と言ってしまってる気がするので,意識的に減らしていきたい.
3. 組織全体の目標を意識する
自分のチームや自分自身の成果を追い求めすぎて,組織全体の目標が何となく他人事のように感じてしまうという機能不全で,案外こういう状況ってどこの組織でもありそうな話だなと思った.自分の目標をしっかりと達成することは素晴らしいんだけど,組織全体のことを考えて視野を広くしておかないと,各チームがバラバラになってしまう.だからこそ目標設定と絶対的なリーダーシップが必要だと感じていて,例えば OKR などを定義してる組織はそのあたりがうまくマネージメントできてるんじゃないかなと思う.常に視野を広くしてアクションすることを心掛ける.
チーミング本
本書に比べると相当重ための内容だけど,チーム系の本で1番オススメなので,合わせて読んでみてはいかがでしょう!