"Disagree & Commit" の重要性を感じた /「エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢」を読んだ

今週休暇を取っていることもあり,エンジニアとして今後のキャリアをどう進めていこうかと考えていて,自分の価値観をマインドマップに描いてみたり,関心のあるポジションに求められている Requirements を見て自分に不足している経験を洗い出してみたりしている.短期的なキャリアだけじゃなく,中長期的なキャリアも考えてみたけど,まだ明確な答えは出ていなくて,継続的に考える感じになりそう.その一環として,前に買ったまま積読にしていた「エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢」を読んでみた.感じたことを少しメモしておこうと思う.

全般的に

よく記事になっていたりする「シリコンバレー最高!」という側面だけではなく,現実的に考えられるデメリット(もしくは人によってはデメリットになりそうなこと)を知ることができる本だった.実際にシリコンバレーで10年以上働き,5社以上を経験し,採用面接を担当したり,レイオフされたこともあるという経歴には説得力があり,読んでいてとにかく興奮した.目次を見るだけでもう読みたくなるw

  1. あなたはアメリカに合っているのか
  2. どうやったら渡米できるか
  3. アメリカ企業に就職・転職する
  4. ホワイトボードコーディング面接を突破する
  5. アメリカで働くと何が違うのか
  6. 転職を通してキャリアアップする
  7. 解雇に備える

アッサリした雰囲気

コアタイムが無かったり,状況に応じて自宅勤務ができたり,日本的な歓迎会が無かったり,転職を繰り返すことが当たり前な文化だったり,アッサリと言う表現は全然正しくないかもしれないけど,海外流な雰囲気は僕には合うなと思っている.当然だけど,サボる気は無いし,業務外のコミュニケーションを取りたくないわけではなく,日本で当たり前になってるルールを制約に感じてしまうことは多々あるため,メリットだなと思った.

営業的な勢力が強いと,飲み会に行かないと仲が悪いと思われたりもして,それは極端すぎるだろと感じる.本書にも書いてある通り,定期的にモラルイベントがあって,そこに参加するぐらいの頻度が個人的には居心地が良いかなぁ.

Disagree & Commit

"Disagree & Commit" って表現は知らなかったけど,重要だなと思った.

自分はその方針に反対であり、そういう話もした。しかし、チームとして決断が下されたので、チームの一員としてその方針にコミットする。その方針の実現に全力を尽くす。

我慢することは日本の文化ではないと思うけど,どうせ採用されないなと思って提案しなかったり,どうせ決まるんだろうなと思って反対しなかったり,発言せずに聞いている人は多いのではないかと思う.本当に意見が無い場合もあるだろうけど,裏で不満を言ってたりする場合も多く,それは良くないなと.明確な Disagree じゃなくても意見を言うべきだし,反対なら Disagree を訴えるべき.同時に Disagree をしても変な目で見られてはダメで,それこそ「心理的安全」だと思う.僕も黙ってしまうこともあるし,積極的に声を出していこう.

kakakakakku.hatenablog.com

社内移籍の可能性

アメリカに本社がある外資系 or アメリカに支社がある日本企業に入社して,社内移籍として海外に進出するとハードルが比較的低く,ビザ(L-1)も取りやすくなるという話は確かになーと思った.Cloudera の例がまさにそうだし,凄く良さそう.

chezou.hatenablog.com

ただし外資系という意味だと,僕は前職で約4年半も IBM で働いていて,完全に該当していそうだけど,SIer としてお客様先に常駐するようなデリバリー部隊だと,海外で働く選択肢は無かったし,英語を必要とする場面もあまり無かった.だから明確に海外で働きたいという希望を伝えることは必須だろうなと感じた.念のため補足しておくと,強く希望すれば可能性はあっただろうし,ジョブチェンジもできただろうけど,当時の僕には無かったという話として.

ホワイトボードコーディング面接

"一緒に働いたら楽しそうだ" と思ってもらう!

すぐ解き始めてしまうと一発で "No Hire" になるという話はビビった.疑問に感じたことを確認したり,実装方針を説明したり,とにかく面接官とコミュニケーションを取りながら進めていく必要があるというのは絶対に意識したいと思う.確かに現場でメンバーが確認なしに実装をして,最終的に意思疎通ができてなくて書き直しなんてことになると,誰も得をしない状況になってしまう.

日本でも企業によっては実施されていて,数年前に転職活動をしていたときに実際に数回受けたこともある.その時も同様な雰囲気を感じた.1回目に書くコードの評価よりも,ディスカッションしながらリファクタリングしたり,仕様変更が入って一部を書き直したり,マシンスペックが弱い場合にどう計算量を抑える?という部分の評価が重要視されていたと思う.まぁ当時は全然コードが書けず,ペンを持つ手が震えてたなんて今では良い思い出だけどw

正直難しかったけど,当時は以下の2冊で少し対策をして,今も机に置いてある.

アルゴリズムイントロダクション 第3版 第1巻: 基礎・ソート・データ構造・数学 (世界標準MIT教科書)

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ちなみに転職活動を終えたときに書いた記事を読み返したら,様々な思い出(特にツラかったこと)を思い出してしまって,汗が出た.当時の僕は MySQL も PostgreSQL もほぼ使ったことが無くて,最も詳しいのは DB2 だったし,ベンダーロックインしているスキルセットが悪だとは思わないけど,SIer から転職するのは本当に大変だった.

kakakakakku.hatenablog.com

まとめ

海外でエンジニアとして働きたいなという思いはあるものの,仕事で使えるほど英語力に自信はないしー!なんて考えていたら30歳になってしまっていた.本書にも書いてある通り「もう少し○○」で先延ばしにしている意味はないと思うし,心に刺さった.あと実際に英語力よりも現実的に厳しそうなのは家族で,家族も巻き込んで生活を大きく変化させるのかと考えると,自分勝手のように感じてしまう.Rebuild.fm を聞いていると,パパエンジニアも多くいるけど,本当に凄いなぁーと.

解雇(レイオフ or ファイアー)に関しては特にデメリットには感じなかった.自分のキャリアを考え直せば良いし,自分が出せる最大のパフォーマンスを出せば良いし,その結果として解雇されるのであれば,それは必然的なものであったと考えられそう.実際にそういうシチュエーションに立たされたら震えると思うけどw

まとめとして,海外で働くことのイメージをリアルに想像できたという意味で,刺激的な一冊だった.海外で働くことの優先順位が自分の中で何番目ぐらいになるんだろうというのを改めて考えてみたいし,その本質的な欲求を日本にいながら満たすことはできないのだろうか?という現実的な代替案も探ってみたいと思う.何にしろ,良い本だった.オススメ!