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「聞く」って何だろう?を整理するために「齋藤孝の聞く力」を読んだ

What is「聞く」

最近「聞く」って何だろう?という漠然とした疑問を持っていた.仕事をしていると「聞き上手」な人と「聞き下手」な人がいる.その違いはどこにあるんだろう?

僕が個人的に組織や技術のことを相談させてもらっている人はよくよく考えると全員「聞き上手」だし,「聞き上手」な人を前にすると本音をガンガンと言えてしまったりする.コミュニケーションにおいて「聞く」ことは最も重要な要素だし,チームビルディングの要素としても重要なのに,その本質を理解できていなかったことに気付いた.

もっと「聞く」を知りたいなと思って書籍を2冊読んでみた.今回は中間報告として今よりうまく「聞く」ためのポイントをまとめておこうと思う.今後は「アクティブリスニング」関連の書籍を読んでみようと思っている.

『齋藤孝の聞く力』を読んだ

  • 第1章 :「話していて楽しい」人の共通点
  • 第2章 : 話がはずむ聞き方、しぼませる聞き方
  • 第3章 : 一生役立つ「聞く力」の鍛え方
  • 第4章 :「聞き上手」はここがちがう

齋藤孝の聞く力 (だいわ文庫)

齋藤孝の聞く力 (だいわ文庫)

話の腰を折らない

相手の話を聞いているときに「ああそういえば」と言って自分の話を展開してしまうことがある.本書だと「我田引水的な聞き方」と表現されていて刺さった.自分の話を混ぜて話を詳細化していくこと自体は良いとして,もし自分の話を展開した後に話の主導権を自分が持っている状態なのであれば,相手の話の腰を折ってしまっている可能性がある.相手を嫌な気持ちにさせないように耳を傾けることが重要だと感じた.

価値観に寄り添う

本書では「価値観に寄り添う」という表現が使われていて,凄く良いなと感じた.意味としては,話の内容がその相手にとってどの程度の重要度があるのかを理解しながら話すということだった.相手の価値観を考慮せずに否定してしまったり,自分の価値観を押し付けるような表現をしてしまったりすると,相手としては嫌な気持ちになってしまう.逆に話に対して「○○も似た話?」のように「適切な具体例」を返すことができると,相手の価値観に寄り添って話していることが伝わる.

感謝する

相手の話を聞いていて新たな発見などがあった場合は「知らなかったよ!」や「勉強になったよ!」など感謝のリアクションを返すことを意識する.相手の立場になって考えてみるとわかるけど,自分の話が役に立ったのなら嬉しく感じるだろう.

受け止める

最初に書いた「話の腰を折る」に類似しているけど,相手の話を頻繁に止めたり,質問したり,否定したりしてしまうと,それは話を聞いているとは言えない.主観と客観を分離して,相手の話を受け止める意識が必要になる.

『「対面力」をつけろ!』を読んだ

  • 第1章 : 対面力の基本は「からだのレスポンス」だ
  • 第2章 : 話し上手・聞き上手・間合い上手にこうしてなる!
  • 第3章 :「世渡り上手」を実践しよう
  • 第4章 :「つながる」「広げる」対面力の磨き方

「対面力」をつけろ! (光文社新書)

「対面力」をつけろ! (光文社新書)

笑顔と上機嫌

自然に笑顔を出せない人は反応力が鈍く,人との距離感がうまくつかめないため,対面力がないと書かれていた.だからこそ常に笑える準備をしておくと相手から見た印象が全然変わってくる.さらに似た話で,どんなに不愉快なことがあって不機嫌な日も,相手まで不愉快にさせないために上機嫌に振る舞うべきと書かれていた.不機嫌な感じが出ていると近寄りたくなくなるし,笑顔と上機嫌は改めて徹底したいと思った.

逆説を言わない

「でも」や「だけど」など逆説的な接続詞を使う癖があると,相手を否定しているように聞こえてしまうし,話の腰を折ることにも繋がってしまう.無意味な逆説なら言うべきではないし,必要な逆説の場合も徐々に話をズラしながら展開していく工夫ができると良いと書かれていた.僕は逆説を言う自覚症状があって,今から直すと心に決めた.

あと逆説ではないけども,以前所属していた開発チームでは「いったん」を使わないようにしようというルールがあって,その話を思い出した.技術的な意思決定をする際に「いったん○○で」を良しとしてしまうと,近い将来に技術的負債になる可能性が高いから「中長期的に○○を目指すとして,現状は○○で対応しよう」のように考える習慣を目指すという意図があった.

相談する

うまく相談することは重要だと書かれていた.相談とは自分が困っていることをオープンにして相手に助ける求めることを意味するけど,相手からすると頼られているという感覚が得られるし,距離感が縮まるシチュエーションになる.本書では特に男性はプライドがあって相談するのがうまくないと書かれていて,そこは凄くよくわかる.僕は比較的よく相談するタイプだとは思うけど,相談できずに詰まっている人も多いのではないかなと思う.あと上にも書いたけど,相談後の感謝も忘れずに!

本音を聞くために並走する

相手から本音を聞くために,まず自分の本音をオープンにする必要がある.また1回で本音を言ってくれることはなく,様子を見ながら繰り返し繰り返し聞く必要がある.また尋問のように聞き出すという意識があると絶対にダメで,相手と並走する感覚で本音を聞くようにする.

経験豊富な人に話を聞く

日々のコミュニケーションやランチで,一緒にいると楽な一部のメンバーとばかり行動を共にするのは良くないと書かれていた.価値観が違ったり,業界や仕事的に経験豊富な人に話を聞くと対面力を圧倒的に向上させることができて,自分の能力を伸ばすチャンスになる.特にランチはたった1時間だと割り切れば気軽に行けるし,関係性がグッと縮まるから重要と書かれていた.

まとめ

結局のところ「聞く」を一言で表現するのは難しそうだけど,個人的に「聞く」とは「相手がもっと話したくなるように寄り添うこと / 同時に感謝すること」であるという表現を考えてみた.どうだろ?

2冊読んで,参考になったポイントは他にもあるんだけど,今回は厳選してまとめてみた.言われてみると当たり前なポイントも多いけど,実はその当たり前を全然実践できてないことに気付かされて,自分の「聞く」スタイルを見直さなきゃなと感じた.「聞く」を大切にしてこ!