書店でたまたま1冊でわかる ビッグデータが目に留まり,タイミングよくビッグデータへの理解を整理しようと思っていたので,購入してみた.
記事としては非常によくまとまっていて,ビッグデータの定義や様々な企業でのビッグデータの活用事例,またHadoopとMapReduceの解説記事など,技術的な記事もあって,タイトルの通り,本当にこの1冊でビッグデータの概要が把握できる.
ビッグデータというバズワードは「既存の技術では管理するのが困難な大量のデータ」と一般的に定義されており,「困難な」という否定的なニュアンスが含まれる点が印象的.つまり5年後でも10年後でも,その時点の技術で管理が困難であれば,そのデータはビッグデータと呼ばれることになる.さらにビッグデータの活用シナリオの1つとして近未来を予測する「ナウキャスト」という言葉が紹介されていたが,例えばWebサーバのログをリアルタイムに解析して同時に次のアクションを実行するという,今までは感覚的に無理と思えるような革新的なデータ分析が実現できるというのは非常に興味深かった.
総じて,ビッグデータという市場全体に対する入門書として,おすすめできる1冊である.あ,ちなみに定価1600円っていうのはちと高めだと思ったので定価1200円ぐらいだと嬉しかったかな.
- 作者: 日経コンピュータほか
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/06/12
- メディア: ムック
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