2021年10月に Redash の最新バージョン「Redash v10.0.0」がリリースされた.そして現在は「Redash v10.1.0」まで出ている.また Redash 界隈ではよく知られた「正式リリースまで到達しなかった v9.0.0」という話もあり,実に2年振りの正式リリースとなる.Redash を使っている会社だとでは「v8 → v10」にアップデートする機会が多いと思う.
バージョン | リリース日 |
---|---|
v9.0.0-beta | 2020-06-11 リリース |
v10.0.0-beta | 2021-06-16 リリース |
v10.0.0 | 2021-10-01 リリース |
v10.1.0 | 2021-11-23 リリース |
今回は Change Log を確認しつつ,「個人的に気になった Redash v10.1.0 新機能と機能改善」を「計5点」紹介する.全ての変更点は以下に載っている.
Redash v9.0.0-beta
v9.0.0-beta での新機能は過去にまとめてある.合わせて読んでもらればと!今回の記事は v9.0.0-beta → v10.1.0 の範囲で紹介する.
目次
- 垂直ナビゲーションバーが追加された
- データソースが追加された
- 水平グラフを作れるようになった
- クエリ実行時に取得結果を 1000 件に限定できるようになった
- My Dashboards が追加された
1. 垂直ナビゲーションバーが追加された
まず,Redash v10.1.0 になって最初に驚くのはデザインだと思う.特に「垂直ナビゲーションバー(Change Log には "Vertical Navbar" と書かれていた)」が追加されたことで,操作性もデザイン性も良くなったと思う.黒背景のコントラストも好き!
2. データソースが追加された
Redash はバージョンアップごとにデータソースが増えている.Redash v10.1.0 では「6種類」が追加されて「計61種類」になった.
- CSV
- eccenca Corporate Memory (with SPARQL)
- Excel
- Firebolt
- SPARQL Endpoint
- Trino
特に Excel と CSV は使う機会が多そう👏今までも Google Sheets は使えたけど,今回のアップデートで Excel ファイルと CSV ファイルを直接操作できるようになった.せっかくなので CSV を試してみる.なお,ドキュメントは以下にある.
まず,CSV ファイルをネットワーク経由で参照できる場所に置いておく必要がある.例えば Dropbox や Amazon S3 など(公開権限は気を付ける必要あり!).今回は郵便番号データ KEN_ALL.csv
を一時的に Amazon S3 に置いて.クエリ構文は url
を使うなど,以下のようになる.usecols
や names
は Pandas に依存しているため,Pandas のパラメータを使った.
url: 'https://example.com/KEN_ALL.csv' usecols: [2, 6, 7, 8] names: ['郵便番号', '都道府県', '市区町村', '町域']
データソースを追加してクエリを実行したら郵便番号を全件取得できた!
ドキュメントにも書いてある通り,検索をする場合は Query Results データソースを併用する必要がある.今回は CSV データソースのクエリを id: 1
で作ったため query_1
テーブルに対してクエリを実行する.以下のように 15000
を含む郵便番号(渋谷区など)を検索できた!
SELECT * FROM query_1 WHERE 郵便番号 LIKE '15000%'
3. 水平グラフを作れるようになった
今まで作ることができなかった「水平グラフ」に対応した.例えば「左から線が伸びる水平棒グラフ」で,他には線グラフでも使える.UI としては,以下のように Horizontal Chart
のチェックボックスが追加された.
4. クエリ実行時に取得結果を 1000 件に限定できるようになった
クエリ画面に LIMIT 1000
のチェックボックスが追加された.デフォルトで ON になっている.例えば,レコード数の多いテーブルに対して SELECT * FROM xxx
のようなクエリを実行してしまった後に気付く🔥ということもよくあるため,抑制になると思う.以下のように ON / OFF を切り替えると,取得できる件数が変わった.
5. My Dashboards が追加された
もともと My Queries メニューはあったけど,今回新しく My Dashboards メニューが追加された.些細な変更ではあるけど,ダッシュボード所有者には便利そう.
まとめ
Redash の最新バージョン「Redash v10.1.0」を試しながら「個人的に気になった Redash v10.1.0 新機能と機能改善」を「計5点」紹介した.デザイン変更により見た目にもインパクトのある違いがあり,Excel データソースや CSV データソースも便利だった.現在 redash-hands-on の「v10 対応」にも着手している.お楽しみに!